「情熱的な」スポーツカーメーカー、製造拠点を英国へ
「最も情熱的なドライバーのために情熱で創造」というスローガンで知られるスパイカー・スポーツカーが、そのブランドの未来を確保するために車両組み立て拠点を英国へ移します。
スパイカー・カーズ社は効率性向上および大幅なコスト低減達成のため同社のプレミアムスポーツカー組み立て拠点をオランダから移転させます。
1898年に自動車製造を開始したスパイカー社はこのたび製造拠点をオランダのゼーボルデから英国ミッドランドのコベントリーへ移します。
コベントリー工場での車両組み立ては、スパイカー社復活後最初の委託パートナーとなったCPPマニュファクチュアリング社が請け負います。
スパイカー社のCEOであるビクター・R・ミュラー氏はこの移転を「このような困難な時世において弊社のような小さな企業はコスト削減、そして効率性向上への道を追求する必要があります」と語っています。
「2000年の弊社創立時からの最初の委託パートナーであり、以来、最も信頼を置いている1社であるCPPマニュファクチュアリング社へ組立拠点を移すことで弊社の将来を確固たるものにするつもりです」
さらに続けて「弊社生産自動車のおよそ半数の自動車パーツや部品は英国で調達されており、事実上、全ての主要サプライヤーが英国に拠点を構えているので、サプライヤーや技術パートナーの近くへ移転することは大幅な節約と実質的な効率向上につながるでしょう」
「オランダでの雇用状況に影響が出るのは認識していますが、現行の経済環境を鑑みると移転は必須であり、弊社や弊社の全ての利害関係者にとりベストの選択であると確信しています」と語っています。
CCP社の代表取締役であるブレンダン・オトゥール氏は付け加えて「スパイカー社とは私どもがスパイカー・シャシーの最初のプロトタイプを製造した2000年以来緊密な関係を保ってきましたし、スパイカー社と共に成長してきた結果、この業界における少量生産のトップメーカーの1社となりました。スパイカー車の組み立てでは品質は最高レベルを維持すると同時に大幅なコスト削減および操業効率を達成します」
英国へ組み立て拠点を移すことで、昨年43台のプレミアムスポーツカーを製造したオランダ拠点で雇用してきた135名の従業員の3分の1に影響が出る見込みです。
2000年以来、スパイカーブランドは献身的な職人グループが選りすぐった材料のみを使用し手作りで仕上げる車両により、スーパーカーのニッチ市場でしっかりとした基盤を築いてきました。同社のスポークスマンは同社の車について、「最も情熱的なドライバーのために情熱で創造」されたと語っています。
英国でのスパイカー製造は自動車製造の中心地として既に名高いミッドランド地域を拠点とすることとなり、少量生産スポーツカーメーカーの世界最大の集積地域の1つへ仲間入りします。
有名なカーメーカーのケーターハム、モーガン、ロータス等、英国は、欧州のどの国と比較しても特殊乗用車メーカーの数が多い国とされています。
スパイカー(Spyker)の発祥はアムステルダムでヤコブスとヘンドリック・ジャンの2人のスパイカー(Spijker)兄弟により馬車メーカーが創業された1875年に遡ります。1898年には伝統的な馬車作りから初めての自動車製造へと移行し、たちまち、その職人技のボディワークで名声を博しました。
「これを期に兄弟のビジネスは大きな転機を迎えました」とスポークスマンは語ります。「その時点から以後、スパイカー兄弟のビジネスは自動車製造に完全に移行しました。外国市場で認識され易いようにと会社名も英語表記のスパイカー(Spyker)と変更されました」
スパイカー社は6気筒エンジン、フルタイム4輪駆動、4輪ブレーキを持つ最初の自動車が製造したばかりか、未舗装道路での埃を防ぐ常設アンダートレイを装備した特許取得のダストシールド・シャシーも導入しました。
第一次世界大戦時には高級車市場を世界的な不況が襲ったことから、同社は航空戦闘機の開発および製造を担う新事業にダッチ・エアクラフト・ファクトリー社と共に携わりました。
1918年終戦を迎えるとスパイカー社は自動車製造を再開し、一連のモデルが成功を収め、その中の1車種が、3万キロメートルに及ぶ道のりを36日間連続走行し耐久性新記録を達成しました。
この成功は航空機技術と自動車技術をうまく融合させたことに負うところが多く、現在に至るまで使用されている特徴のあるスパイカーのプロペラとホイールを組み合わせたロゴがこれを象徴しています。
元のスパイカー社のビジネスは1925年に終焉を迎えましたが、そのブランド名や技術的に進んだ魅力的で信頼性の高い車という名声は2000年に設立された新スパイカー社へと引き継がれました(www.spykercars.com)。
それ以来、同社のスーパーカーの多くはスピード記録を樹立し、品質およびイノベーションの点で数々の賞を獲得しています。同ブランドはレーシングトラックでも実績を挙げており、毎年行われるル・マン24時間耐久レースで成功を収め、また、MF1レーシングの略称でよく知られる英国ミッドランドF1レーシングチームを買収しています。
このような背景を持つスパイカー社は将来の成長を信じて疑わず、スウェーデンのカーメーカー、サーブの買収等に意欲を燃やしています。

































